姫ひいなたち。

2020年12月7日

スタッフブログ

姫ひいなたち。

皆様こんにちは。突然ですが、写真の丸っこい物体、何だと思われますか?
皮をむいた里芋…のように見えなくもありませんが里芋ではありません。

こちらはここ数年で人気シリーズに仲間入りした雛人形「姫ひいな」シリーズのボディ(本体)です。「姫」も「ひいな」も「小さいこと」をあらわす言葉。人形1体は子供の手のひらにも乗るサイズです。
雛人形、姫ひいなの完成形はこちら。

例えば下の写真はお殿さまとお姫さまの前に並ぶ三人官女のボディです。

お店に並ぶとかわいい木目込ひな人形も、制作過程ではお芋さんみたいな姿のときもあるのですね。

さて。岩槻の土地はもともと木目込人形の材料となる桐が豊富でした。さらに人形作りに欠かせない胡粉(ごふん)を溶くための綺麗な水に恵まれていました。江戸時代に日光御成街道の宿場町として栄えたころから、岩槻の人形づくりが盛んになりました。もとは自然の恵みが今日の岩槻の人形作りを育んだのです。
私達の工房では、桐を粉末にしてかためた「桐塑(とうそ)」をボディとした木目込人形作り(特に雛人形)を得意としています。

江戸木目込人形は昭和53年2月6日に国の伝統的工芸品に指定されており、岩槻(現:さいたま市)はその製造地域のひとつなのです。木目込人形は木彫りがルーツであり、独特の造形をつくりだす直線や曲線の美しさが一番のみどころです。それは雛人形のサイズが小さくなっても同じこと。いつの時代も多くの人の心に受け容れられる理由となっています。

ご説明が長くなりました。次回は姫ひいなたちが座っている舞台の裏側をお見せしたいと思います。

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