新横綱・大の里関に贈られた特別な記念人形

クリスマスの日、二所ノ関部屋で行われた贈呈式

2025年12月25日、茨城県阿見町にある二所ノ関部屋で、心温まる贈呈式が執り行われました。

この日の主役は、第75代横綱に昇進された大の里関。大の里関へ特別な横綱昇進記念人形が贈られました。

人形を贈呈したのは、茨城県を代表する総合商社・関彰商事株式会社（本社:茨城県筑西市、代表取締役社長:関正樹）。制作を手がけたのは、人形のまち・岩槻で170年以上の歴史を持つ人形の東玉（本社:埼玉県さいたま市岩槻区、代表取締役社長:戸塚大介）です。

国技である相撲、地域企業、そして伝統工芸。この3つが出会って実現した、特別なプロジェクトをご紹介します。

「郷土が生んだ横綱を、伝統文化の形で後世に残したい」

今回の企画は、関彰商事様の「郷土が生んだ横綱の快挙を、日本の伝統文化で後世に残したい」という想いから実現しました。

人形のまち・岩槻が誇る江戸木目込人形の技法

制作を依頼された東玉は、節句人形をはじめ日本の人形文化を現代に継承しながら、時代に即した新たな価値創造にも取り組んでいる老舗です。節句人形の枠を超え、文化的・記念的価値の高い人形制作にも力を注いでいます。

今回の記念人形は、さいたま市岩槻が誇る江戸木目込人形の技法で制作されました。江戸木目込人形とは、人形の胴体に彫った溝に布地の端を埋め込んで衣装を着せる、江戸時代から続く伝統技法です。その繊細な技術は、現在では限られた職人しか継承していません。

制作を担当したのは、経済産業省指定の伝統工芸士でもある人形師・石川佳正氏。石川氏は制作にあたり、大の里関の取組映像を繰り返し観察し、土俵上での立ち姿や表情を丁寧に研究されました。

「一刀一衣に心を込めて」――人形師の想い

石川氏は、制作への想いをこう語ります。

「横綱という称号には、強さだけでなく、品格と精神性が求められます。大の里関が歩んできた道と、これから背負っていく重責を思いながら、一刀一衣に心を込めました。この人形が、相撲界と日本文化をつなぐ存在になれば幸いです」

完成した人形は、大の里関の堂々とした立ち姿はもちろん、凛とした表情、肌の質感に至るまで、熟練の技によって細部まで丁寧に表現されています。まわしの織り目一つひとつ、指の関節のわずかな陰影まで、まさに「生きているかのような」仕上がりです。

贈呈式当日、人形を手にした大の里関は、しばらくじっと見つめた後、こう語りました。
「表情や肌などの細部に至るまで精巧に作られており、大変光栄に感じています。まるで自分を見ているようで、不思議な気持ちです。この人形は私の宝物として、大切に保管させていただきます。そして、この人形に恥じないような横綱を目指して、精進してまいります」

地域と文化を未来へつなぐ取り組み

本企画は、茨城県を拠点に地域社会への貢献を続ける関彰商事が、人形のまち・岩槻の伝統技術と手を携え、国技である相撲の栄誉を称える形となりました。国技、地域企業、伝統工芸が交差する象徴的な事例として、今後も語り継がれていくことでしょう。

式の終了後も、会場では和やかな歓談が続きました。大の里関は人形を何度も眺めては、「本当によくできていますね」と繰り返し感心されていたそうです。

人形の東玉といたしましても、日本の国技である相撲と、江戸時代から受け継がれる木目込人形の技術は、どちらも日本が世界に誇る伝統文化であると考えております。
今回、この二つが交わるかたちでお役に立てましたこと、またこの企画に携わることができましたことを心より嬉しく存じます。

第75代横綱・大の里関のますますのご活躍を、そして二所ノ関部屋のさらなる発展を、心よりお祈り申し上げます。

贈呈概要

贈呈日：令和7年12月25日（木）
贈呈先：二所ノ関部屋
贈呈者：関彰商事株式会社（本社:茨城県筑西市、代表取締役社長:関正樹）
製作者：株式会社東玉（本社:埼玉県さいたま市岩槻区、代表取締役社長:戸塚大介）
人形師：石川佳正（江戸木目込人形 伝統工芸士・経済産業省指定）
技　法：江戸木目込人形
制作期間：約2ヶ月

大の里関プロフィール

本　名：中村泰輝
出身地：石川県河北郡津幡町
所　属：二所ノ関部屋
昇　進：令和7年（2025年）、第75代横綱に昇進

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