5月5日は縁起の良い日?男の子の節句「端午の節句」と「こどもの日」の関係

5月5日は「端午の節句」で「こどもの日」そして「男の子お節句」のお祝いの日です。
男の子の健やかな成長と立身出世を願って鯉のぼりを揚げ、強くたくましく育つよう願いを込めて鎧兜や武者人形を飾ります。
しかし、「端午の節句」と「こどもの日」が同じ日なのは偶然でしょうか?
それとも、「端午の節句」の別名が「こどもの日」なのでしょうか?もしくはその逆なのでしょうか?
実はこの「こどもの日」は「端午の節句」に合わせて後から制定されたのです。
なぜ同じ日になったのか?また、そもそもの端午の節句が男の子の節句なのはなぜなのか?
男の子の節句である端午の節句の歴史から見ていきましょう。
なお、本記事にて記載の価格は2020年3月時点での東玉標準価格であり、東玉標準価格の変動がある場合がございますので、あらかじめご了承ください。
5月5日の「端午の節句」に合わせて「こどもの日」が制定されました
古代中国の「楚」という国に屈原(くつげん)という政治家がおり、国と人民に尽くしましたが不遇な死を遂げます。5月5日に亡くなった為、屈原の供養のためのお祭りが行われました。
屈原を供養する風習はやがて中国全体に広がり、「端午の節句」となり三国の時代には魏(ぎ)の国により旧暦五月五日に定められ、日本にも伝わりました。
日本の端午の節句は奈良時代から続く古い行事です。昔は季節の変わり目の端午の節句の日には、病気や災いをさけるための行事があり、薬草や厄除けの菖蒲を飾りました。
端午の節句に「鯉の吹き流し」を立て「武者人形」を飾り男の子のお祝いをするような行事になったのは徳川時代からです。
一方、こどもの日は昭和にはいって1948年7月20日の祝日法の公布及び即日施行により制定されました。このこどもの日の日付を決めるにあたっての希望が多かったのが「端午の節句」の5月5日です。
理由としては、北海道や東北ではそれより前の日付だと寒いとの反対が多かった為や、端午の節句が男の子を祝う日だった為に日付をあわせたほうが良いという意見が多かったからのようです。
端午の節句・こどもの日は男女ともにお祝いします
このように起源と由来の違う2つのお祝いである「端午の節句」と「こどもの日」はそのお祝いする対象も違います。
端午の節句は「男の子の節句」であり、男の子のお祝いをする日ですが、こどもの日は男女共にお祝いをします。
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端午の節句では飾る五月人形の種類が代表的なもので3種類。
厄から男の子の身を守る「鎧飾り」と「兜飾り」、男の子が健康に立派に育つよう祈願する「子供大将飾り」などの人形があります。
この3種類はそれぞれ更に飾り方によって種類が分かれます。
最も一般的な「平台飾り」に、五月人形が下台にしまえる「収納飾り」、お手入れの手間の少ない「ケース飾り」、また実際に男の子が着ることが出来る「着用飾り」や、人気の戦国武将の鎧兜をモチーフとした「名将飾り」などです。
このように現代では豊富な種類から男の子にふさわしい五月人形を端午の節句に選ぶことが出来ます。ぜひこちらよりご覧ください。
- ケース入り 鎧飾り「5号 特選大鎧」:緑裾濃の威が生命力を感じさせる鎧です。ケースは八角形になっており、お洒落です。バックの山水の蒔絵がとても豪華に魅せます。
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- 彩宴 兜飾り「8号 蒼玉」:兜、屏風、台に晴天の澄んだ空のような青が使用され、それを引きたてる金の縦ラインが特徴的でデザイン性に優れております。兜は手打ち星鋲の合わせ鉢、吹返しは印伝皮、縅糸は正絹を使用しており本格的な兜飾りをお求めの方にも満足できるセットです。
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- 端午木目込人形 「皐月童 樹」:腕を組みどっしりと座る若大将姿の造形。やさしさ・上品さ・可愛さが感じられる人気のお顔です。少し背の高めの衝立で飾り、両脇に弓太刀を配したセッティングは、端午木目込シリーズのなかで豪華さNo.1と云えます。
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一方、こどもの日は男の子の人格を重んじ、男の子の幸福をはかるとともに、母に感謝することが趣旨ですので、こどもの日は男の子、女の子ともにお祝いします。
男の子はお祝いが重なる日なんですね。
端午の節句で飾る五月人形の種類は兜・鎧・人形が主です
この男の子の節句で飾る五月人形はなぜ「兜」・「鎧」・「子供大将飾り」が多いのでしょうか?
鎧兜の飾りは災難から身を守る
端午の節句に鎧、兜を飾ることは武家社会の風習で、身の安全を願い神社にお参りしました。戦より戻ると神社へ無事帰れたことへの感謝を表す為に鎧や兜を奉納する習わしがありました。
身を守る鎧兜を、男の子の身の安全や厄から守ってくれるシンボルとして後には庶民の間にも「鎧飾り」「兜飾り」という形で五月人形として形を変えてきたのです。
子供大将飾りでも「鎧兜」や武具が多く見られます
男の子の初節句の五月人形は、鎧や兜をきている人形が多く見受けられます。また、弓矢や大太刀、小太刀などの武具を持っている場合もあります。
男の子の人形に鎧や兜を着せて、男の子の健やかな成長と無病息災を祈願するシンボルとしての役割があるのです。
鎧兜を製作する甲冑師のご紹介
別所 実正(べっしょ じっしょう)
最上級の技を持つ名匠。平安期から江戸末期までの甲冑の研究に邁進。
独自の技法を技法を用いて、甲冑制作に取り組む。
詳しくはこちらよりご覧ください。
加藤 峻成
国の伝統工芸士試験に最年少合格を果たした新進気鋭の若手甲冑師。
江戸時代甲冑の伝統技法を受け継ぎ、現代感覚を取り入れた「彩り」シリーズが人気です。
詳しくはこちらよりご覧ください。
男の子の節句に欠かせない五月人形をご紹介します。
【端午木目込人形】
岩槻の伝統技法「木目込」で創る新しい五月人形の風。
躍動する造形を可愛いお顔が人気です。
男の子の初節句にもおすすめの端午木目込はこちらよりご覧ください。
奏・青音(あおと)
東玉標準価格88,000円(税込)
幅28×奥行28×高さ32cm
【陣羽織着用兜収納飾り】
東玉標準価格156,200円(税込)
幅55×奥行49×高さ91cm
実際に着用できるタイプの着用兜飾り。しかも収納も簡単です。
小さい頃の写真は大きくなってからは撮れません。上杉謙信の兜をかぶって陣羽織を羽織った雄姿をたくさん写真に撮ってあげて下さいね。
- 収納 着用兜飾り「28号 北斗黒鍬」:銀の着用兜に綺麗な裾濃威が特徴です。立体の鍬形が、勇ましさを演出しています。吹返し部分には、龍の彫金が施されており、雄々しさを感じさせます。袱紗にも、銀糸で龍の刺繍が施されています。屏風には、松の絵柄が描かれており、松は、不老長寿の意味合いがあります。
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- 草木染 鎧飾り「10号 朱極」:草木染でワイン色にぼかして染め上げました。裂地部分には京都の龍村美術織物を使用しています。金のバックに手描きで藤の絵が描かれているとても優美で品格のあるセットです。
商品詳細
東玉では熟練の甲冑師による匠の技を注ぎ込んだ五月人形を豊富な種類取り揃えております。ここではご紹介しきれなかった男の子の節句にふさわしい五月人形はこちらよりすべてご覧いただけます。
男の子の節句である端午の節句は、子供の無病息災を祈る行事に由来していますが、古代からつい100年ほど前までは3歳まで生きることが出来ない子供も多くいました。
そんな時代に親が男の子を想う気持ちが五月人形という形となったのでしょう。
現在では医療が発達して多くの男の子が元気にすくすく育つ環境が整備されています。
このように文化や医療の発達した現在の社会においても、端午の節句に男の子のお祝いをする風習は親から子へ受け継がれています。
いつの時代でもどこの国でも、男の子の健やかな成長と幸せを願う親心は世界中変わりません。