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こどもの日に粽(ちまき)を食べるのは関西だけ!?その理由と由来を解説します

2020年3月30日

端午の節句とは

こどもの日に粽(ちまき)を食べるのは関西だけ!?その理由と由来を解説します

みなさん、「ちまき」という食べ物を食べたことがありますか?

日本ではふるくから食べられているであろうこの「ちまき」ですが、ふと聞かれると、関東にお住まいの方はこどもでも大人でも「えっ、食べたことない!」という方も意外と多くいらっしゃると思います。

漢字では「粽」と書く、この「ちまき」、和菓子屋さんに行けばいつでも置いてあるというわけでもなさそうです。
では、「ちまき」というのは、いつ食べるものなのでしょうか?
答えは5月5日の「端午の節句(こどもの日)」です。

この記事では「ちまき」の由来、そして「ちまき」が関東ではあまり一般的ではない理由についてお話します。

こどもの日に食べる「ちまき」ってそもそも何?

こどもの日

「柱のきずはおととしの5月5日の背くらべ
粽(ちまき)食べたべ兄さんが
計ってくれた背の丈
きのうくらべりゃなんのこと
やっと羽織の紐の丈♪」

童謡「背くらべ」(作詞:海野厚、作曲:中山晋平)では、兄さんが食べていた「ちまき」。

「ちまき」は、主にもち米を材料とした餅菓子のひとつです。
もち米の他にも、うるち米や米粉などで作ったお餅を、笹や、茅(チガヤ)などの葉で巻いて、長円錐形または三角形に形作り、糸で一か所を束ねます。
それをさらに茹でたり蒸らしたりするものもあります。
チガヤ(茅)の葉でお餅を巻いたところから「ちまき(茅巻き)」と呼ばれています。

「ちまき」は、承平年間(931年~ 938年)に編纂された辞書『倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)』にもすでに登場しています。
そこには、もち米を植物の葉で包んで、これを灰汁(あく)で煮込むという現代まで続く「ちまき」の製法が書き記されています。
当時「ちまき」は、灰汁の持つ殺菌力や防腐性を利用した保存食でもありました。

現在の「ちまき」は、場合によっては天然の葉で巻かれていないこともあるかもしれませんし、葉を縛る糸もこれからご紹介する故事の五色の糸ではないかもしれません。しかし、実はどちらにも意味があることなのです。
「端午の節句(こどもの日)」に食べられるものですから、他の節句料理と同じように「こどもの無事な成長への願い」が込められています。

しかし、なぜ「ちまき」が「端午の節句(こどもの日)」に食べられるようになったのでしょうか?
中国に「ちまき」の起源となるお話があるので、ご紹介したいと思います。

なぜこどもの日に「ちまき」を食べるようになったのか?

折り紙兜

ちまきを5月5日に食べるようになったのは中国の故事に由来します。

今からおよそ2300年前の古代中国に、「屈原(くつげん)」という高名な詩人がいました。忠誠心が高く、政治としての手腕も備えていた彼は、多くの民から支持されていました。
しかし、それをよく思わない者の陰謀によって国を追われ、とうとう川へ身を投じてしまったという言い伝えがあります。

その日が5月5日だったのです。
人々は屈原の死を悲しみ、命日の5月5日にお供え物を川に投げて供養しようとしました。
しかし、お供え物は屈原のもとに届く前に、悪い龍に食べられてしまいます。
そこでお供え物のもち米を、悪龍が苦手だという「楝樹(れんじゅ)の葉」で包み、邪気を祓う五色の糸で縛ってから川へ投げたところ、無事に屈原のもとへ届くようになったということです。

この言い伝えから、中国では「ちまき」は屈原のイメージと結びつけられ、「忠誠心が高い人の象徴」と考えられるようになりました。
そこから屈原が身を投げた5月5日に、忠誠心のある立派な大人に育つことを願って、こどもに「ちまき」を食べさせる風習が生まれました。

この故事では悪龍という邪気を祓うために「楝樹の葉」を使っていますが、現代の「ちまき」には、楝樹と同じく邪気祓いの意味のある「笹や茅」を使っているのですね。

ちなみに、お供え物のもち米を縛った五色の糸は、赤・青・黄・白・黒で、中国の「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」に由来します。

陰陽五行説でこの五色は「縁起のいい色」とされ、昔から「魔除け」や「邪気祓い」の意味でも使われてきました。
日本の「五節句」でもよく見かける色の組み合わせで、たとえば「七夕の節句」の「短冊」や「端午の節句」の鯉のぼりの「吹き流し」にもこの五色が使われています。

関連記事:「5月の端午の節句は「陰陽五行説」の五節句に由来します」

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こどもの日でも「ちまき」は関西が主流で、関東は柏餅

ちまきと柏餅

関西で食べる「ちまき」

5月5日に「ちまき」を食べる中国の風習は、奈良時代に日本に伝わります。
中国の文化はまず当時の都に伝わったため、「ちまき」を食べる習慣は、奈良から関西・近畿を中心に西日本一帯へ広がります。

「ちまき」が関西方面で多く食べられる理由が、その当時の都の位置がだったとは!それなら納得がいきますね。

こうして関西では、「端午の節句(こどもの日)」に縁起の良い食べ物として「ちまき」が食べられるようになりました。
中国での風習のように、こどもに「ちまき」を食べさせ、「忠誠心の高い立派な人になって欲しい」と願ったのです。
本格的な「ちまき」は殺菌効果の高い「笹」を使ってもち米を巻き、邪気を祓う意味を持つ「五色の糸」で束ねて作られ、こどもの無事成長を願って食べられます。

関東で食べる「柏餅」

関東では「端午の節句(こどもの日)」に「ちまき」を食べる習慣はありませんが、こどものために縁起のいい食べ物を作る文化が育たなかったわけではありません。

関東にはこの日に「ちまき」ではなく、「柏餅」を食べる風習があります。両方とも「餅菓子」というのが少し興味深いですね。こちらの「柏餅」の方は、江戸時代の武家社会に由来する食べ物として関東で広く浸透しているのですが、これも江戸幕府があった場所が関東だったからなのですね。こういった食文化の違いには、中国の故事もさることながら、日本の政治の歴史が深く関係しているのです。

このように昔から「端午の節句(こどもの日)」には、関西では「ちまき」、関東では「柏餅」を食べるのが一般的なようですが、現代では比較的容易にどちらも手に入りますので、両方でお祝いしてみてはいかがでしょうか。

五月人形で飾られる「三台揃(または前飾)」とは、三方(または八足の三台)を揃えたもので、菖蒲酒の瓶子と粽(ちまき)、柏餅を三台の三方(または八足台)に載せたものです。このように「端午の節句(こどもの日)」には、こどもに縁起のいい食べ物として、「ちまき」も「柏餅」も両方飾られるのです。

粽や柏餅のお供え物がついた兜段飾

8号 匠極(しょうきょく)

8号 匠極(しょうきょく)

太い鍬形と赤糸威しの力強い兜。収納タイプの飾りで、菖蒲酒の徳利、粽(ちまき)、柏餅のお供え物がセットされている東玉ならではの兜飾りです。

  • サイズ:幅48×奥行40×高さ52cm
  • 東玉標準価格:141,900円(税込)

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この他にも東玉では五月人形の兜飾りを豊富に取り揃えております。ぜひこちらからご覧ください。

  • 兜にこいのぼりが泳ぐ楽しげなコンパクト兜飾り「5分の1 赤糸長鍬」

峻成の一番小さい兜ですが、素材と技は変わらぬ一流品です。鯉のぼりが可愛らしい女性にも人気のお飾りです。

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峻成・彩り 兜飾り「5分の1 赤糸長鍬」

106,700円(税込)

規格:幅27×奥行27×高さ33cm

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商品詳細

収納 着用兜飾り「28号 北斗黒鍬」

147,400円(税込)

規格:幅62×奥行46×高さ81cm

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もしお店でなかなか見かけない場合でも、「ちまき」や「柏餅」はご家庭で簡単に作れます。
「こどもの日」に手作りのお菓子やお料理を用意してお祝いしたら、きっとご家族みんな喜んでくれると思いますよ。

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「端午の節句(こどもの日)」が近づくと、スーパー等の店頭で「ちまき」や「柏餅」が並びはじめますが、その品揃えはお住まいの地域によって異なると思います。

ですが「端午の節句(こどもの日)」は、日本の伝統行事であり、男の子の健康を願ってお祝いすることには変わりはありません。昔からの風習はそれとして、機会があったら「ちまき」と「柏餅」を用意してお祝いしてみるのもいいかもしれませんね。

では、関東で柏餅が食べられるようになったのにはどんな歴史があるのでしょう。そのお話について、詳しくはまた別の機会にご紹介したいと思います。

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