なぜ3月3日はひな祭り?

2023年10月20日

ひな祭りの由来

なぜ3月3日はひな祭り?

日本には五節句の風習があり、人日1/7、上巳3/3、端午5/5、七夕7/7、重陽9/9のそれぞれの季節に合わせた料理があり羽子板や雛人形や5月人形を飾りお祝いをする行事があります。

3月3日と聞くと、ほとんどの方が春の行事「ひな祭り」を思い浮かべるはずです。
ぞろ目の日付ということもあって覚えやすく、女の子のお子さまの健やかな成長を願う行事やイベントとして日本人に広く親しまれています。

しかし、何故、ひな祭りのお祝いイベントは3月3日におこなわれるのか、という由来までは意外に知られていません。実は、ひな祭りがこの日付なのには歴史的にとても深い物語があるのです。

そこでここからは、そんなひな祭りのお祝いが3月3日に行われるようになった由来について詳しく見ていきます。
一度読んでおくだけでも、お子さまの「どうして3月3日がひな祭りなの?」という素朴な疑問に答えてあげられるようになりますよ。

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3月3日が雛祭りになったのは?

3月3日がひな祭りの日として定着したのは江戸の初期?

現在は、女の子の健康な成長と幸せを願う風習として定着したひな祭り。
これからの人生に災いが降りかからず、幸せに成長できるようにとの願いが込められています。しかし、初めからこのような行事だったわけではありません。

ひな祭りの別名は「桃の節句」といいます。
これは、中国から伝わった「上巳(じょうし)の節句」という考え方が元になっています。この「上巳(じょうし)の節句」は奇数が重なる日を縁起の悪い節目の日として、その日に邪気を祓う行事を行うというものです。

中国では、上巳の節句には水辺で身を清める禊(みそぎ)の儀式があり、この儀式が日本に伝わり、転じて今のひな祭りとなったとされています。
しかし、日本に伝わってから暫くは、中国のそれと同じように「御祓いの行事」としておこなわれていました。

3月3日が、私たちに馴染み深いひな祭りへと変化し始めたのは江戸時代。
大きなきっかけは江戸時代初期、京都御所で行われた盛大なひな祭りとされています。この影響で大奥の中でもひな祭りを行うようになり、それが少しずつ大衆へと広まっていったのです。

江戸時代中期に「初節句」という赤ん坊が生まれたことを祝う風習が生まれたことで、ひな祭りはますます盛んになっていきました。この頃から、ひな祭りを鮮やかな雛飾りで彩るようになったと言われています。
あまりにもひな人形に力を入れすぎて、幕府から「ひな人形を華美にしてはいけない」という禁止令まで出たという記録が残っています。禁止令は「8寸以上の人形を作ってはいけない」という命令で、検査や取り締まりが行われ、罰則によって閉店してしまうお店も多くあったそうです。大きさを制限された代わりにミニサイズの雛人形が流行し、小さくて緻密な雛人形を作る技術を向上させ、今に至ると言われています。

この頃にはすでに、人々にはお祭りとしてのひな祭りが定着しつつありました。
ひな祭りの前には雛市なども開かれ、色とりどりの雛飾りを目当てに集まった多くの人でにぎわっていたとされています。

一部地方では、旧暦の3月の節句(上巳、桃の節句)である3月3日(現在の4月頃)に行われていた。明治の改暦以後は新暦の3月3日に行なうことが一般的になりました。また、江戸時代には、9月9日の重陽の節句に雛人形をもう一度飾る「後(のち)の節供」という飾る習慣もありました。

また、香川県三豊市仁尾町の一部では、雛祭りは行わず、旧暦の8月1日に雛人形を飾る。これは、戦国時代に仁尾城が落城したのが旧暦3月3日であったためとされています。

 

雛祭りの伝わり方

立雛 寿々喜 賢一 木目込み 

上でも少しだけ触れましたが、3月3日のひな祭りの元になったのは中国から伝わった「上巳の節句」です。
中国における上巳の節句は、漢の時代の逸話に由来します。
徐肇(じょちょう)という男が3人の女児をもうけたにも関わらず、3人とも3日以内に亡くなってしまい、嘆き悲しむ様子を見た村の人々が酒で亡骸を清めて水葬した、というものです。

上巳の節句が日本に伝わったのは平安時代で遣隋使によってもたらされたと言われています。中国から伝わった「水で身を清める」という風習は、初めは「上巳の祓い」と呼ばれておりました。

その後、日本の貴族階級の子女のなかで流行していた「ひいな遊び」と呼ばれる人形遊びと混ざって、まったく新しい儀式へと変化することになります。

それが、現在のひな祭りの元になる「流し雛」です。流し雛は自分の生年月日を書いた紙の人形に厄を移して川に流すという儀式で、今でも京都の下鴨神社で行われています。

関連記事:「お雛様を川に流してしまう?「雛流し(ひなながし)」の意味と歴史

初めは流すための簡素な作りの人形だったのが、人形作りの技術が発達するにつれて豪華かつ高価な人形が登場するようになりました。それにつれて、人形は徐々に家に置かれるようになり、現在のような「人形を飾る」ひな祭りの習慣に至ったと考えられています。

江戸時代後期には京で「有職雛」とよばれる宮中の雅びな平安装束を正確に再現したものが作られるようになりました。さらに江戸では新たに独自の内裏雛として現在の雛人形につながる「古今雛」がつたえられました。

こういった経緯から、ひな人形には女の子の厄を引き受ける役目があると考えられるようになり、現在でもそのように考えられています。

雛祭りはどんなお祝い?

3月3日のひな祭り昔も今もこの先も、女の子の健康と幸せを願い祝う日です

初めは、中国の身を清める儀式から始まり、日本に伝わったのちに人形遊びの要素が加わって現在の習慣へと至ったひな祭り。

儀式の方法は、長い期間を経て何度となくその形を変えてきました。
しかし、お子さまの健康と幸せを願うという意味はずっと変わることなく受け継がれてきています。
いつの時代も子を思う親の気持ちは強く、不変なのです。

現代では、ひな人形はお子さまの厄を引き受け、災いの身代わりになってくれるお守りとしての役割を持ちます。
つまり、現代におけるひな人形は「親心」の象徴のようなものといえるのです。

しかも、上質なひな人形には本物の和服が使われ、髪なども精緻に再現されております。そんなひな人形がお家にあるだけで、日本古来から受け継がれてきた「和の美意識」をお子さまが身近に感じられるようにもなります。ひな祭りは初節句のお祝いだけではなく、毎年行われる季節のお祝いです。季節の変わり目に旬の食材を食べることにより、五穀豊穣と無病息災を祈る大切な行事です。中国から由来したものではありますが、四季に恵まれた日本独自のお祝いになっています。

これまで脈々と続いてきた和の文化。今度は私たち今に生きる日本人が、ひな祭りを通じて日本の美徳を後世に伝えていきませんか。

ひな祭りのイベントに欠かせない食べ物のひとつに菱餅がありますが、菱餅に関してはこちらの記事で詳しくご案内していますので、ご参考にお読みください。

 

 

 

当店東玉では、伝統的なものからモダンな要素を取り入れたものまで、バリエーション豊富なひな人形を取り扱ってございます。

豪華な金融友禅の衣装と、とてもコンパクトながら安定感のある造形が特徴です。お姫様の袖口の襲(かさね)など、細部まで丁寧に作られており、一級の職人技が覗かせます。リビングや洋間にも合う雰囲気がとても人気です。

  • 東之華 親王飾り「桜の舞」:金糸と銀糸の織りなす美しい色彩が東之華の作品の特徴です。東之華シリーズ人気?1親王飾り『桜の舞』の衣裳は、色違いの小桜金襴に、グラデーションで見せる襲(かさね)の配色が独自の世界観を生み出します。花鞠と桜柄の刺繍屏風がよりいっそうの美しさを演出します

商品詳細

東之華 親王飾り「桜の舞」

東之華 親王飾り「桜の舞」

209,000円(税込)

幅66×奥行35×高さ31cm

  • 草木染 親王飾り「深見」:手染めならではのぬくもりある独特のグラデーション。桜の舞う優しく品のある屏風が美しさをより一層ひきたてます。
  • 木目込人形 喜久絵 収納飾り「柑愛刺繍A」:優しいミントとピンクの衣裳に桜の刺繍が施され、小さいながら存在感のある収納飾りに仕上がりました。気品あふれる金屏風と木目の飾り台がリビングなどの洋間によく合います。間口35cmで飾ることが可能なコンパクト収納飾り。

商品詳細

木目込人形 喜久絵 収納飾り「柑愛刺繍A」

木目込人形 喜久絵 収納飾り「柑愛刺繍A」

149,600円(税込)

幅35×奥行24×高さ27cm

  • 木目込人形ゆかり親王飾り「遊燕」:晴れの日を祝う家族の風景をモチーフにした「遊彩シリーズ」。生まれてきたばかりの赤ちゃんを抱っこしているお殿さまの姿は、まるで「育メン」。

商品詳細

木目込人形ゆかり親王飾り「遊燕」

木目込人形ゆかり親王飾り「遊燕」

144,100円(税込)

幅42奥28高さ25cm

3月3日が何故「ひな祭り」と呼ばれるようになったのか、その由来や言われをご説明させていただきました。
千年近く前にさかのぼる長い歴史や、多くの偶然を経てこそ、現在のひな祭りがあるのですね。また、核家族かが進んでいくと、子や親が祖父母と会う機会がへって、なかなか気持ちを伝えることができません。雛人形は家族の絆を深める意味もあるのではないでしょうか?

今年の3月3日は、お子さまにそんな物語を聞かせてあげながら過ごしてはいかがでしょうか。ひな祭りという行事を、もっと深く楽しめるようになること間違いありませんね。

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