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雛人形のそれぞれの名前と持ち物の意味・役割

2023年2月11日

雛飾り

雛人形のそれぞれの名前と持ち物の意味・役割

雛人形の起源は平安時代、ひとがた・ひとかた(人形)、かたしろ(形代)と云われており、神事的な意ものでありました。室町時代、江戸時代に、お飾りするための男女2人の豪華な人形に発展し、それが江戸時代の途中で、より豪華な15人のお雛様にさらに発展して行きました。
雛人形のうれしいひな祭りの歌は、しらない人がいないくらい有名な歌ですが、歌の内容が違っていて、名前と意味が少し違っています。

雛人形には十五人七段飾りが有ります。お殿様とお雛様、三人官女に五人囃子、随臣の二人 三人仕丁の計十五人。お殿様は天皇、お姫様は皇后、官女は天皇皇后の給仕係り、五人囃子は楽隊、随身は武具を装備した護衛係り、仕丁は喜怒哀楽を表す掃除係と役割がそれぞれ違います。
持ち物や衣裳の違いから、どんな人たちがモデルとなったのかを考えてみました。

何故、”岩槻”が”人形の街”と言われる様になったのかと言えば、岩槻は桐の産地でした。お人形のお顔の部分にあたる頭を作る材料の桐のおが屑がたくさん有ったのです。また江戸から日光へ向かう御成街道があり、岩槻はその最初の宿場町で物流にも最適な地域でした。そこで多くの人形職人が住み着き、人形の町になったのです。

 

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雛人形の主役「お内裏様」の名前と持ち物

お内裏様は天皇皇后を表していると言われています。お殿さまは、手に木製のしゃくを持っていて、しゃくの裏側に覚え書きをしるしていたようです。刀は左脇下に挟むように置き、冠の部分と立纓の2部品でなります。冠は天皇のみ着用を許された格式高いかぶり物です。お雛さまは扇を持っています。木の板を紐でつないで飾り紐を付けています。しゃくと同様に裏側に忘れてはいけない事を書いていたそうです。
雛人形には、”関東風”と”京風”があります。どちらも、天皇皇后をモデルにしているのですが、関東と京都では、お内裏様の並び方が変わってきます。”関東風”では、お殿様が向って左、お姫様が右。
”京風”では、お殿様は向って右、お姫様は左、といった具合です。この後紹介するお人形たちの持ち物にも、”関東風””京風”の違いがあります。

お内裏様は”お内裏にいる人”という意味で使われていると思われます。
徳川家康も三河殿といわれたように、場所が人を表しています。正式な名前とは言えません。

  • 龍村裂 親王飾り「糸屋輪宝」:お殿さま、お姫さまの衣裳は輪宝形の文様が入った淡いグレーとローズ色。透明感・高級感のある屏風は金の箔押しにクリア加工を施しています。

商品詳細

龍村裂 親王飾り「糸屋輪宝」

龍村裂 親王飾り「糸屋輪宝」

220,000円(税込)

幅70×奥行39×高さ35cm

雛人形の女官「三人官女」の名前と持ち物

三人官女は真ん中が座りで、左右が立っているお人形です。真ん中は飾る場所がわかりやすいですが、左右の官女は右足左足が平行では有りません。足が出ているほうが雛壇の外側に飾ります。また関東の三人官女と京都の三人官女とでは持ち物が違っています。

関東の三人官女の持ち物は、向かって右から長柄銚子・三宝・銚子を持ちます。
お酒を注ぐ為に持ちます。

一方京都の三人官女の持ち物は、真ん中の官女が島台を持ちます。
島台は縁起物を乗せた飾り物です。
普段は後宮にいて、お姫様の近くに居た三人官女の中でも位の高い人物と思われます。左右に立っている官女は眉が描かれ、口元も白い歯です。しかし、中央に座っている官女には眉がなく、お歯黒です。これは明治ころまで続いた習慣で、既婚者もしくは年長者を意味しています。

関連記事:「一人だけ年上?三人官女の役割は、お内裏様のお世話役

  • 三段飾り「彩花」:格子をアクセントとした屏風と段の桜の模様は刺繍仕立てです。

商品詳細

三段飾り「彩花」

三段飾り「彩花」

220,000円(税込)

幅75×奥行65×高さ82cm

雛人形の盛り上げ役「五人囃子」の名前と持ち物

五人の楽隊はその場を盛上げる役割です。
元服前の若い子供達でおかっぱ頭が特徴です。能楽の演奏形式の一つを表しています。

向かって右から扇を持つ子が歌い手で、メロディー担当の笛、小鼓は4種の音をたたき方で使い分けをしています。大鼓はかけ声をかけながら3種の音を使います。太鼓は手にばちを持ちリズムを取ります。
五人囃子が定番ですが、七人いる雅楽のお人形もあります。

雛人形の守護者「随臣」の名前と持ち物

向かって右側が文官、向かって左側は武官。それぞれ天皇を補佐する役割です。
冠は巻えいをかぶり、左手に弓を持ち右手に矢を持ち背中に矢を付けます。
向かって右側のおじいちゃんのような見かけで作られている左大臣は、物知りを表していて、向かって右側の若者の右大臣は力がありあまる様子を人形にしています。
左大臣のほうが位は上とされています。
歌の中では右大臣左大臣となっていますが、高官の護衛役の意味の方が近いと思われます。右大臣左大臣だと、位が高すぎるので、随身という呼び名がふさわしいようです。

雛人形のお手伝いさん「仕丁」の名前と持ち物

泣き顔、怒り顔、笑い顔の三人で、雑用係を表しています。
持ち物も関東のお人形は沓台が真ん中、左右は傘を持っています。籠からおりる時の沓台です。
台傘や立傘は日よけや飾り物として大名行列に使われる物です。

京風のお人形は真ん中にちりとり、向かって左が熊手、右がホウキをもち、右近の橘左近の桜から落ちる葉を清掃していたのかもしれません。

まとめ

天皇・皇后の周りで代表的な仕事している人達を簡単に表現しているのが十五人飾りで、時代が違えば呼び名も変わり、違う仕事をする人がひな壇にいたのかもしれません。また、仕丁を今風に作れば、掃除機とルンバをもっていたのかもしません。

江戸時代あたりから大人数飾りが飾られて、昭和40年当たりは十五人飾りしかありませんでした。現在は、お殿様とお姫様の二人の親王飾りが多いのですが、お子さまの健やかな成長を願う人達がいる限りは、約1000年前から続いているひな祭りの文化は、日本独特の美しい風習として残り続ける事でしょう。

お雛様を飾る事は、古い時代の豊かな文化を知るきっかけになると共に、家族のコミュニケーションを深め、毎年飾ることで春のおとずれを感じるなど、子供を思う親や祖父母の気持ちが、親から子へ代々伝わっていく事でしょう。

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