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「右大臣」と「左大臣」は実は、正式名称ではないんです

2020年1月17日

雛飾り

「右大臣」と「左大臣」は実は、正式名称ではないんです

七段飾りにすると、親王・官女・五人囃子、と上段から数えて四段目に並ぶ人形です。
一般に随臣(ずいじん もしくは ずいしん)といいます。随身とも書きます。
どちらでも間違いではないのでご安心下さい。

雛人形の七段飾りでないと、お目にかかることのできない「右大臣」・「左大臣」。
皆さんに馴染みある呼称ですが、実は本名があります!

「ハイ!右大臣こと「右近衛少将(うこんのしょうしょう)です!」
「ハイ!左大臣こと「左近衛中将(さこんのちゅうじょう)です!」

そして悩むのが並べ位置。右大臣だから、『人形を並べている、私からみて右』?
いえいえ、正解は『お内裏様側からみて右』なのです!

本当の役職は「随臣(ずいしん)」という警護係

装束は「闕腋袍(けつてきほう)」という武官(君主から命じられた軍人の長官)の束帯です。
武官の外出正装である装束を着せて作られます。

役職や位のわかるポイントのひとつに、冠(かんむり)の後ろに挿してある纓(えい)と呼ばれるものがあります。
卷纓(けんえい)といい、武官の装束の一部としてつかわれるものです。

弓や太刀を身に着け、履物をはいているので『大臣』というと「おや?」と不思議に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
本当の役職は、お内裏様の大事な警護の役目を担っている「随臣」なのです。いまで例えるならボディーガード、といったところでしょうか。
随臣は「随身」とも書き、昔、上皇・関白を賜わった貴人が外出するときに、剣を帯び、弓矢を持って供奉する右近衛、左近衛の舎人(とねり:警備や雑用などに従事していた者。その役職のこと)と言われています。つまり太政官のことであり、左大臣はその長官ともいえます。

右大臣は若者で力を司る随臣です。

右大臣は力をあずかる若者、向かって左側に立ちます。
衣裳着人形では白いお顔です。
赤い衣裳を身にまとっています。
人形の右手に矢を持ち、左手に弓を持たせます。

左大臣はお年寄りで知恵を司る随臣です

知恵をあずかる老人は左大臣。衣裳着人形では赤い顔で白い髭をたくわえ、作られることが多いですが、木目込み人形では右大臣と同様、白い顔で、衣裳が黒いものを身にまとい、人形の右手に矢を持ち、左手に弓を持たせます。
飾る位置としては、向かって右側になります。

右大臣と左大臣はどちらが偉いの?

『紫って、高貴な人が着る色だよね』そんな話を耳したことはありませんか?
先に述べた通り、随臣は年長者が黒、若者は赤の装束です。
日本では【色】によって、地位と身分が示されてきたのです。

推古天皇、聖徳太子によって冠位十二階の官職・位階の色が制定され、「黒」は橡(つるばみ)と称する四位以上の装束、「赤」は蘇芳(すおう)という五位以下の装束であるため、雛人形の飾りでは左大臣・つまり黒い衣裳の人形が上位とされるのです。

七五三や成人式。夏祭りには浴衣・・・。自分で着物を着るときも、左前に着ますよね。
日本には古来から左上位の考えがあり、身分にも同様の考え方をします。

朝廷での官職の順位は 左大臣、次いで右大臣となります。
左大臣はいまで言う内閣総理大臣に当たります。右大臣はそれを補佐する重要な人物。

雛人形の飾り方は、厳格な決まりがあるわけではありません。時代や地域によっても異なります。
しかし、お内裏様にしてみたら、自分を守ってくれるなら、どちら側にいてくれてもいいよ、と思ってくれているかもしれませんよね。

さぁ、自分が人形に変身したつもりで想像してみましょう。
どちらが上位だったか、わかりましたか?
もしかして、お笑いコンビの衣裳選びにも、上位の色は僕が!なんて、相談して決めているのかも・・・。
そんな想像をしてみると、意外な一面が見えてくるかもしれませんね。

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