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5月の端午の節句は「陰陽五行説」の五節句に由来します

2023年12月30日

こどもの日の由来

5月の端午の節句は「陰陽五行説」の五節句に由来します

皆様は「初節句(はつせっく)」とはどんなものかご存知でしょうか?

初節句とは、赤ちゃんが初めて迎える「節句(せっく)」のことで「赤ちゃんの誕生を喜び、これからの無事息災や健やかな成長を願う」ためのとても大切なお祝いの行事です。

節句の中でも有名な「桃の節句」や「菖蒲(しょうぶ)の節句」などの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?

女の子は3月3日の「桃の節句(ひなまつり)」に雛人形を飾り、白酒や雛あられを用意してお祝いしますよね。
生まれた赤ちゃんが男の子の場合は、5月5日の「菖蒲の節句(こどもの日)」に鯉のぼりや五月人形を飾り、ちまきや柏餅などを食べてお祝いするんです。

しかし、この「桃の節句」や「菖蒲の節句」は通称で、正式な名前は「上巳(じょうし)の節句」と「端午(たんご)の節句」というのです。

日本には全部で5つの節句があり、それぞれの節句の日に興味深い風習や伝統行事があるのです。
つまり「節句」の由来を知ることは、私達が普段何気なく続けている風習に昔から込められてきた意味を知ることになるのです。
どんなことでも意味を知ってやると、より楽しくなるものですよね。

この記事では、日本の年中行事「五節句」と5月の「端午の節句」についてお話しますが、まずは節句の由来になった中国の「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」から見ていきましょう。

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中国の陰陽五行説と日本の5節句行事

陰陽五行関係図

日本でも年中行事として「五節句」がありますが、この「節句」というのは中国の「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」が起源になっています。
しかし、この陰陽五行説とはいったいどういうものなのでしょうか?

まずは「節句」について簡単におさらいしてから「陰陽五行説」と「五節句」の関係を順を追ってご説明します。

節句

「節句」とは年の節目、「季節の変わり目」のことです。季節の変わり目というのはは気候が不順で、体調を崩しやすい時期でもあります。

ですから「節句」の時期には旬の食べ物を神様にお供えして、無事健康でいられるように祈願していました。そこから「節句」に伝統的な行事を行う風習が生まれたのです。

神様にお供え物をするので、少し前まで「節供(せっく)」と表記するのが一般的だったんです。

陰陽五行説

今度は「陰陽五行説」についてのお話です。
これは「陰陽思想」と「五行思想」の2つが合わさった考え方のことです。

まずは「陰陽思想」ですが、昔の中国では全てのものを「陰」と「陽」のどちらかに当てはめて考えていました。たとえば「太陽は陽」で「月は陰」、「奇数は陽」で「偶数は陰」というようになります。

次に「五行思想」ですが、これは「自然界は、木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)の五つで成り立っている」と考えるものです。

五行の「行」という文字には「循環」という意味があります。
「木」はこすれて「火」を生み、「火」が物を燃やした灰が「土」を生み、「土」から「金」が生まれ、「金」はその表面に「水」を生み、「水」は「木」を育てる、というように循環しているのです。

その逆の考え方もあり、「木」は「土」を痩せさせ、「土」は「水」を濁らせ、「水」は「火」を消し、「火」は「金」を溶かし、「金」は「木」を倒す。
このように「木・火・土・金・水(五つ)」の「循環(行)」が自然界を司っているという考えが「五行思想」です。

五節句

日本にも元々いくつもの「節句」があったのですが、江戸時代の徳川幕府が年間で最も重要な節目の日として「五つの節句」を式日に定めました。
「式日としての五節句」は明治6年に廃止されたのですが、その後も「五節句」は、季節感を楽しむ年中行事として今日まで残っています。

1月7日:「人日(じんじつ)の節句」
「陰陽五行説」でいうと、「木」「東」「青(緑)」にあたります。
古代中国では正月1日から6日は獣を占い、7日に人を占うことから「人日」という名前となりました。
この日には「春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)」で作った「七草粥」を食べて一年の健康を祈り、無病息災を願います。

また、赤ちゃんが生まれて初めて迎える「初正月」のお飾りとして、女の子には羽子板を、男の子には破魔弓を飾ってお祝いします。

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3月3日:「上巳(じょうし)の節句」
陰陽五行説では「火」「南」「赤」にあたります。三月最初の巳(み)の日のことなので「上巳」といいます。
昔の中国ではこの日は悪い日とされ、水浴びをして厄払いをしていました。ちょうど桃の季節なので「桃の節句」とも呼ばれ、雛人形を飾って女の子の初節句をお祝いします。

また、桃には邪気を払い仙力を身につける聖なる力があると信じられており、女の子の無病息災を願う行事として定着しています。

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5月5日:「端午(たんご)の節句」
陰陽五行説では「土」「中央」「黄」にあたります。
漢の時代に5月は悪い月とされ、5月生まれの子は親に害を及ぼすという迷信まであったそうです。そこで邪気を払うと言われている薬湯「菖蒲湯(しょうぶゆ)」に入る風習が生まれました。5月「最初(端)」の「午(うま)の日」なので「端午」と言います。「端午(たんご)の節句」には鎧飾り(五月人形)や鯉のぼりなどを男の子のお祝いをします。鎧飾りはお子様の身を守るものとして、鯉のぼりは男の子の立身出世を願うものとして「鍛ン後(たんご)の節句」には欠かせないものです。

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彩宴 兜飾り「10号 上杉・龍村裂の兜」

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165,000円(税込)

幅50×奥行40×高さ48cm

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商品詳細

端午木目込人形 「皐月童 凜」

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143,000円(税込)

幅42×奥行28×高さ29cm

7月7日:「七夕(しちせき)の節句」

陰陽五行説では「金」「西」「白」にあたります。
日本では奈良時代に宮中で行われるようになり、もともと学芸や裁縫上達を願う日でした。江戸時代に中国から「織姫・彦星の伝説」が伝わり五色の短冊に願い事を書き、竹に飾る「たなばた」の風習になりました。

9月9日:「重陽(ちょうよう)の節句」
陰陽五行説では「水」「北」「黒(紫)」にあたります。
昔の中国の陰陽五行説では「奇数は陽数」とされ、陽数で一番大きい9が二つ重なるこの日は、たいへんおめでたい日とされていました。

日本では菊の花の時期と合わさり「菊の節句」として親しまれています。菊には薬効成分があるとされ、菊の花を浮かべたお酒「菊花酒(きっかしゅ)」が生まれました。昔宮中では菊の花に一晩綿を乗せておいて、翌朝朝露で濡れたその綿で体を撫でて邪気を払う「菊の着せ綿」という風習も行われていたそうです。
また重陽の節句は「後の雛(のちのひな)」ともいわれており、江戸時代には雛人形を飾る風習もあったようです。

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五節句の1つ 「端午の節句」の由来

こいのぼりの画像

古代中国の行事「邪気払い」

「端午の節句」は、もともと昔の中国の「邪気払い」の行事でした。
中国では旧暦の5月は雨期にあたり、節句の中でもこの時期は特に疫病が流行しやすく「悪い月」とされていました。
そのため「端午(5月の最初の午の日)」の節句に、厄払いのための薬草を摘んで「菖蒲酒」にして飲んだり、「よもぎ」を編んで作った人形を飾ったりしていました。強い香りを放つ「菖蒲やよもぎには邪気払いの力がある」と信じられていたのです。

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日本の古い風習

古代の日本にも「端午の節句」の時期に、菖蒲やよもぎを「厄払い」として使う風習がありました。
旧暦の5月は日本では田植えの時期で、昔は「早乙女(さおとめ)」と呼ばれる若い女性が田植えの主役をつとめていました。田植えは神聖なものだったので、田植え前の早乙女は不浄を避けて心身を清らかに保たなければいけませんでした。
菖蒲やよもぎを軒にさして清めた家の中にこもった早乙女が菖蒲酒を飲み、田の神に五穀豊穣を祈るという「五月忌み」という儀式が行われていたそうです。そこから、5月の節句を「女の節句」と呼んだとも言います。

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奈良・平安時代に中国から伝わった「端午の節句」の風習は、日本にそれ以前からあった「五月忌み」の習慣と合わさり、宮中では「端午の節会(せちえ)」が行われ、貴族は「厄除け」に菖蒲を飾ったり、薬草を摘んで薬玉をつくって贈り合ったりしていました。

武家社会での発展

その後、鎌倉時代になり武家社会になると「菖蒲」が「勝負」や「尚武(しょうぶ:武を重んじる)」に通じることから、武家では「菖蒲の節句」に菖蒲の葉を「刀」に見立てて飾るようになりました。

江戸時代には「幟(のぼり)」を飾って男児の誕生を知らせ、端午の節句には屋内に身を守る「鎧兜」を飾る風習が生まれました。こうして「男の子の無病息災と立身出世を願って」節句のお祝いをするようになったのです。
その後、この風習は庶民の間にも広まり、立身出世の象徴「鯉のぼり」も飾るようになり、「男の子の誕生を喜び、健やかな成長を祈る行事」として広く浸透し現在に至ります。

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木目込兜飾り 奏 「天音」

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92,400円(税込)

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木目込兜飾り 奏 「藤音」

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115,500円(税込)

幅30×奥行30×高さ32cm

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5月の節句のお祝いの仕方は地域によって特色があります

はりこの虎の画像

「端午の節句」は長い歴史の中で発展しながら日本全国に広がっていったものです。ですから、5月5日の節句のお祝いのしかたは地域によって多少の違いがみられます。

たとえば五月人形の飾り方も、実は関東と関西では少し違うのです。
関東で少し大きめの「鎧兜」を飾るときには、その脇に1対の「かがり火」を飾ります。
一方の関西では、脇飾りに「陣屋提灯(じんやじょうちん)」を飾ることが多いようです。なお、関東地方では「兜飾り」、関西地方では「鎧飾り」の方が好まれる傾向もあるようです。

それとは別に、関西では五月人形と一緒に「張子の虎」を飾ります。これは、江戸期幕末に九州から関西にかけてコレラが流行った頃に生まれた風習です。

「虎の頭の骨を混ぜた和漢薬がコレラに効く」とされたので、船場商人たちは「張子の虎」と共にこぞって手に入れようとしたそうです。
当初は「病気除け」として関西で風習化した「張子の虎」は、その後「虎のように元気でたくましい子供に育ってほしい」という親の願いを込めて、5月の端午の節句に飾るようになったのです。

また5月5日の節句に、主に関東では「柏餅」が、関西では「粽(ちまき)」が食べられています。これは「柏餅」は江戸の武家社会で生まれ、ちまきは京が都だった平安時代頃から保存食として食べるようになったからです。

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こういった関東・関西の違いだけにとどまらず、端午の節句のお祝いのしかたは地域によって実に様々です。

一例ですが 全国的に武者のぼりは白地ですが 熊本では黒地になり 鯉のぼりは杉の上部に緑の葉を残し、その上に小旗(お子様のお名前の旗)を揚げる独特な飾り方になります
鯉のぼりや武者幟の飾り方、子供のお祝いに五月人形を贈る人、その日に食べる節句膳の献立、ちまきの作り方や食べ方なども地方色がありますので、いろいろ調べてみたら面白いかもしれませんね!

「端午の節句」は長い歴史の中で日本全国に広がって様々な発展を遂げ、その地域で新たな行事や風習の違いを生み出しながら今日に至っています。

中国から伝わってきた端午の節句は長い時代を超え、今も生まれてきた男の子の無病息災、健やかな成長を願う行事として定着しています。

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