雛人形を守り、美しく見せるガラスケースは単体のみでも販売しています
近年ガラスケースに入った雛人形をお求めになるお客様は増加傾向にあります。
価格も親王出し飾りに比べ手頃な雛人形が多く、手入れが簡単なことと、場所を取らない点が人気の理由だと思います。
そこで、雛人形を飾るためのガラスケースについてご説明いたします。
ガラスケースに入った雛人形は、お店で使われる商品名では「雛ケース」と呼ばれることが一般的です。雛ケースの種類としては「固定式」と「非固定式」の二種類に分けられます。
「固定式」は、お人形とお道具が台に接着された雛ケースで、このタイプは簡易に飾り付けが出来ることや、収納がコンパクトになるという機能的な特徴があります。
「非固定式」は、お人形やお道具が台に接着されていない雛ケースで、お人形とガラスケースが別々の箱に収納され、お客様自身でお雛様を飾り付けできることが特徴です。
「非固定式」のケースには、お人形以外の雪洞やお花などのお道具があらかじめ接着された雛人形専用のタイプと、お人形道具が全て接着されていない空ケースタイプがあります。
お店ではケース単体での販売もしておりますが、現在の雛ケースは機能性が重視される傾向があり、「固定式」のみを取り扱う店舗も多いので、事前に取り扱いアイテムを確認しておいたほうが良いと思います。
飾りながら「守る」雛人形を美しく魅せるガラスケース
雛人形を購入されるお客様に「お手入れ方法はどうしたら良いですか?」「お雛様を飾っている期間のほこりは大丈夫ですか?」と聞かれることがありますが、雛人形の保存にとって良くないとされるのが「湿気」「紫外線」「ほこり」などがあげられます。
「雛ケース」は、飾りながら「守る」優秀な飾り方
「雛ケース」は、いわゆる七段飾りや親王飾りなどの「雛人形出し飾り」と比べると格段に「ほこり」に強いのが特徴で、雛人形を飾りながら「守る」ことが出来る特徴を考えると、優秀な飾り方のひとつと言えます。
また、ガラスケースの類似品として近年「アクリルケース」の需要も増加傾向にあります。アクリル製の雛ケースは、メリットとして ①割れづらい ②比較的軽量である ③リビングなどの洋空間にフィットする 等があげられます。ガラスケースのタイプと比較検討して頂ければと思います。
- ケース入り 親王飾り「華福寿」
かわいい木目込人形のケース飾りです。お顔は、ガラスの入れ目なので赤ちゃんの様な表情です。
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- ケース入り 親王飾り「桜子」
六角アクリルケースの雛ケース飾りです。バックにある衝立の桜部分が雛人形を優しく照らします。白とピンクのコントラストがお洒落感を演出しています。
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- ケース入り 親王飾り「春凪」
全体的にピンクで統一されている可愛らしい雛ケース飾りです。六角アルリルケースとバックの豪華な鞠桜の刺繍が気品あふれる一品です。
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- ケース入り 五人飾り「春緋」
ピンク暈しの可愛らしいアクリル雛ケース飾りです。殿と姫の柄やバックには、桜が入っています。
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東玉のケース入り雛人形はこちらから「ケース入り雛人形」
「固定式」「非固定式」に関わらず、「雛ケース」を購入されるお客様の多くが、「ほこり」対策を視野にいれている方が多いように思われます。
実際の売場でも「親王出し飾り」をご覧になっているお客様にお声かけをすると「このお雛様が入るケースはありますか?」「このお雛様をケースに入れたいのですがどうしたらいいですか?」などと質問される場合があります。
正直なところ、人形販売店の視点からみると「親王出し飾り」をそのままケースに入れることは、ケースが特注になる場合が多いため金額が高くなってしまい、ケース自体もかなり大きくなりますのでおすすめ出来ないことが多いです。
ですが、お客様のお考えとしては、もちろんお雛様の種類(ジャンル)・お顔・お衣装・飾る場所(サイズ)・収納スペース・予算などが購入の目安にはなりますが、それとは別にお子様(あるいはお孫さま)の為のお雛様をなるべく美しい状態で長く飾りたいと願うお気持ちが表れているように思われます。
雛人形を飾る期間の目安とされるのが、2月4日(立春)から3月3日(ひな祭り)の約一ヵ月(*旧節句など一部例外地域があります)とされていますが、一般的な住宅での環境条件で、数年間程度でお雛様がお飾りできない程傷んでしまうことはほとんどありません。
人形専門店によってはお人形に対する保証をしている店舗もあるので参考にされると良いでしょう。
飾る場所や収納スペースを基本条件として雛ケースをお選びになる場合、雛人形を出来るだけ長く飾りたいというお気持ちを大事されるなら、大きさだけでカタログやネットなどで購入をお決めにならず、実際にお店に行かれて直接お人形のお顔や衣裳をご覧になってお選びいただくことをおすすめいたします。
特に「非固定式」雛ケースは、お人形やお道具をお客様のお好みに合わせてコーディネート出来ますので、数多くあるお道具の中から納得のいくお品をお選びいただくようおすすめいたします。
以上、ガラスケースについてご説明しましたが、次にお人形についてお話いたします。
お人形は大きく分けて「衣裳着人形」と「木目込み人形」があります。
「衣裳着人形」とは、仕立てた衣裳を藁や桐の胴に着せ付けて作る雛人形で、豪華なお衣裳を身に着けた少し大人びたお顔をしたお人形は、雅な絵巻物を彷彿とさせる華麗なイメージが特徴です。一般でいわれるお雛様のイメージは「衣裳着人形」と言えるでしょう。
衣裳着人形の場合は、間口40㎝クラス(柳親王)から間口150㎝クラス(八番親王)まで対応できますが、ケースに入れる場合は間口70㎝以下に適応するお人形の大きさ、具体的に言えば三五親王・小三五親王・芥子親王・小芥子親王・柳親王(関東番手)を中心にお人形を選ばれると良いでしょう。
同じ番手でも職人さんによってお人形の大きさが違う場合があるので、その都度お好みのケースに入れてみてバランスを確認しましょう。
東玉で人気の衣裳着人形をご紹介します。
- 優雅 親王飾り「華銀河」
夜空に浮かぶ天の川で二人が寄り添う、幻想的なお雛さまです。
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- 優雅 親王飾り「紫ノ園」
人気の「薄紫」色の配色で全体をコーディネートした優雅シリーズの人気商品。人形の衣裳は紫・ピンク暈しの生地にお揃いの「雪輪に桜」柄の刺繍付きです。中央にはモダンな紅梅のアレンジメントフラワーをセッティングしました。
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- 収納親王飾り「おおせ」
木目の収納箱と屏風に貼り合わせた和紙は品良く、台の後ろ部分にはLED付でいっそうお人形を引き立て、リビングにぴったりのお雛さまです。
- 東之華 親王飾り「桜尽くし」
衣裳は一面に咲き誇る桜の光景を表現し、色違いで合わせました。お姫さまの襲(かさね)は下から上品にゴールドが垣間見えます。
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「木目込み人形」とは、桐塑(とうそ)や新桐塑(桐塑に石膏などを混ぜた物)で作った原型に彫刻刀で筋彫りし、その溝に衣裳を木目込んで作る人形で、木製の柔らかな曲線が醸し出す可愛らしさが特徴です。
また木目込み人形は、作家の個性がはっきり出ると言われていて作家名を冠したお人形が多く、使用される生地によっては衣裳着より高額になる場合もあります。
木目込み人形の場合は、比較的コンパクトなサイズに適応できるお人形なので、間口30㎝クラスから間口70㎝クラスまでが一般的な適応サイズで、お人形の大きさに関してはケースに入れるのに適した大きさだと思います。
東玉オリジナル木目込人形の人気代表作をご紹介します。
- 木目込人形 ゆかり 収納飾り「遊燕」
育メンおとのさまの腕の中には、かわいらしい赤ん坊とそれを見守りあやす優しいおひめさま。淡いピンクの屏風にはっきりした色合いの衣裳が良く合います。収納タイプなのですっきりとしまえます。
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- 木目込人形 喜久絵 収納飾り「真愛A」
可愛らしいアイボリーとピンクの収納箱に喜久絵作『桜華雛』をセットしました。優しいお顔にあわせ厳選された衣裳の木目込人形は見るほどに愛着がわきます。つるされた青い桔梗のつまみ細工がいっそう人形を引き立てます。
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- 木目込人形 賢一 親王飾り「以和喜 龍村裂」
鈴木賢一の高級コンパクト親王飾り「以和喜雛」可愛いお顔と造形が特長のおひなさまです。殿は凛々しく、姫は優しいお顔の表情に仕上げました。鋭角に跳ね上げられた袖口、丸く突き出した膝が賢一独自の造形です。「和を以って、喜びと成す」と言う言葉より「以和喜雛」と命名いたしました。本品の衣裳は、皇室ゆかりの「京都龍村美術織物」を使用いたしました
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お人形の雰囲気やお雛様全体のイメージに合ったケース選びを
お人形の大きさについては、衣裳着人形のように番手という職人さんの統一の大きさの名称を用いません。
木目込み人形は、お顔の雰囲気がかわいいタイプと頭師さんによる筆仕事の味わいのあるお顔があり、衣裳もそれぞれに合わせた裂地を着せているので、お客様のお好みでお人形の雰囲気に合わせたケース選びをされると良いでしょう。
お人形のお顔や衣装もお選びいただく際のとても大事なポイントですが、お雛様の全体のイメージには、お人形を引き立たせるお道具や背景(バック)そしてケースの色なども重要な要素となります。
基本的には、それぞれをお人形の衣裳の色や柄に合わせてお選びになると間違いがないと思います。
予算については店舗スタッフにご相談ください
2019年の即位の際に天皇陛下がお召しになって話題になった「黄櫨染」ですが、こうした有職系の伝統的なお衣裳には、菱餅や貝桶などオーソドックスなお道具を揃え、ケースについてもバックは金や、クリアなどの無地を使い、枠の色も黒か茶系を合わせるとより荘厳な重厚さを表現出来ます。
- 木目込人形 賢一 立雛飾り「寿々喜雛 祥 龍村裂」
龍村美術織物の中でも代表的なおしどり柄を使用した衣裳に、《研ぎ出し》の技法を施したパノラマケースでお飾りいたしました。
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一方、友禅系の明るいお衣裳には、かわいらしい変わり型のお道具をお付けし、ケースも華やかな刺繍などのバックで、ワインやピンク系の枠色を合わせるとより可愛らしさを表現出来ると思います。
合わせる枠色やお道具によっても雰囲気がかなり変わりますので、ご自分のセンスやお好みに合わせたコーディネートを色々お試しになるのもひとつの方法ですが、あまりご自分のお好みにこだわると予算オーバーの原因にもなりかねませんので、経験豊富な店舗スタッフのアドバイスを参考にしながらお雛様をお選びください。
「かぶせ式」と「扉式」の雛人形ケースの特徴
ケースの種類は、素材的には大きく分けて「ガラス」と「アクリル」の2種類があり、形状的にも大きく分けて「かぶせ式」と「扉式」の2種類があります。次に、それぞれの特徴をご説明します。
素材として「ガラス」の長所は、表面の硬度が高いのでキズに強く、お手入れが簡単なところです。
ほかには耐熱性があり劣化しにくい点や透明性があり中のお人形がよりきれいに見える点も長所にあげられます。
短所は、重量が重い点や割れるなど強度な衝撃に弱いところです。
「アクリル」の長所は、ガラスに比べ重量が軽く表面が割れなにくいことです。
短所は、表面の硬度が柔らかくキズに弱く、乾燥による静電気が起きやすい点があげられます。
「アクリル」は柔らかく加工しやすい特性を生かしたケースが多く、形状を六角形にしたり柱のないパノラマ型にしたケースが主流になっています。アクリルケースは登場当初はガラスより若干割高でしたが、近年の人気の高さから価格もガラスとほぼ同じ位か、物によっては安くなっています。
一方形状的には「かぶせ式」のケースとは、台座より上の箱型部分がはずれるタイプのことです。
後でご説明する「扉式」に比べると枠の加工の手間がかからない分職人が製造しやすい為、比較的ケース代が安い場合が多いです。
ケース正面の枠の部分も扉式のように二重にならない為、柱を細く使いますのでデザイン的にもスッキリしていてお人形が美しく見えるところが長所だと言えます。
現在では、よりスッキリと見えるように柱を無くしガラスを張り合わせた「パノラマ型かぶせ式」ケースも登場しています。
「かぶせ式」の短所は、お手入れをする度にケースの枠を外さなければならないので手間がかかり面倒なことです。
この面倒さを軽減する為には、前章でご説明した「固定式」をお選びになることをおすすめします。
「固定式」はお人形とお道具が全て固定されているタイプですので、お手入れ後のセッティングの手間は軽減されます。
「扉式」のケースとは、正面が扉型になっているタイプです。扉を開けて中をお手入れできることが長所です。
そのためお人形とお道具のセッティングやお手入れも簡単なので、お人形以外の様々なお道具(雪洞・お花等)をそれぞれお客様のお好みの組み合わせで揃えることが出来ます。
前述しましたが、扉部分の加工に手間がかかるため「かぶせ式」よりケース代が高い場合が多いことと、扉部分の強度の関係で大きいサイズが製作できないところが短所となります。
また、ケースのサイズに関しては「かぶせ式」と「扉式」どちらにおいても大きいケースを購入される場合、お雛様はお飾りしない期間も長いので、収納場所も視野にいれてお選びになったほうが良いと思われます。
あらかじめ飾る場所と収納場所を想定して、寸法(間口×奥行き×高さ)を測っておくのも一方法だと思います。
お子様のご成長を願い長い間お飾りになる雛人形ですから、それぞれの長所・短所や特徴をしっかりお考えになり、出来れば直接お店に行って数多いお人形の中からご希望に合った雛ケースをお選びくださいませ。
ケースが破損した場合でも雛人形はそのままで、ケースだけ交換ができます
万一ケースが破損した場合は、販売店または近隣の人形専門店へ修理のお持ち込みをして頂くことをおすすめします。
近くにお店がない・時間がとれない等、やむを得ないご事情で購入先等の人形専門店に修理を配送でご依頼される場合は、ケース破損箇所が広がらないように厳重に梱包してお送りください。
非固定式の雛ケースの場合は、お人形やお道具などはご一緒に送らないでそのままご自宅で保管してください。
ガラス破損の場合は基本ガラス交換になりますが、枠の部分が破損している場合は修理が不可能な場合もあります。
修理が不可能な際は、「非固定式雛ケース」の場合はケースのみを再購入していただくことになりますが、同じケースがご用意できない場合がありますのでご了承ください。
再購入の場合、店舗によっては修理扱いやケース交換扱いなどにして通常購入するよりリーズナブルな場合があります。事前にご確認をしておくのがおすすめです。